2019年09月08日

引っ越しと検査とダイエット

 長らく、このseesaaでブログをやってきましたが、気分転換に引っ越ししてみようかと思っています。行先はアメーバです。芸能人が多々やっているアメーバブログというところです。

 まあ、ある方からアメーバに引っ越ししたらとお勧めされて、その気になっている次第です。しばらく、混乱するかもしれませんが、すぐに落ち着くでしょう。

 昨日は内臓の超音波検査というのを受けてきました。どうもある数値が基準よりいつも多めなので、一度、調べてみましょうということになりました。朝はちょっとの食事、水分は水しかダメ、コーヒーとかお茶とかは一切ダメで、お昼は食事抜き、でお昼からは水分もちょっとしかダメということで、15時半に予約している病院へ行って検査を受けました。

 「息を吸って」、「止めて」の繰り返しで、15分だか20分だか、そのくらいで検査は終了。結果は・・・

 腎臓や胆のうに石は見当たらないのでOK、でも、肝臓は脂肪肝だと、言われました。とにかく、ダイエットしないさいということなので、やせようと思いますが、これは、ずっと、やせようと思っているけど、なかなかやせれない、究極の命題なのです。

 今のところ分かっているのは、朝、昼、晩を普通に食べると太り続けてしまうということ。だから、最近はたまに晩を抜いて、現状体重を増えないよう維持しているという状況。一体、どうしたら、やせれるのか、なぞ、なのです。

 カロリー計算して、なんてことは、自分にはできない。ストイックに運動することも、まず挫折する。学生時代から身長は変わっていないのに、体重は30キロほど増えている。せめて、10キロ落としたい。

 これから、食欲の秋、ほんとうに悩ましい秋が近づいている。困ったものです。


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#SF小説 #おやじ日記 #引っ越し #超音波検査 #ダイエット
posted by ツッカー at 09:58| 兵庫 ☁| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年08月29日

ゼロ円通信!

 小説の連載も終わって、また、次の執筆活動をしようかと思っていますが、なかなかアイデアが浮かびません。まあ、あまり、自分にプレッシャーをかけずにぼちぼちやっていきます。

 以前、スマホ(や携帯)の通信料をゼロ円でできるという記事を書きました。実際にやってみて、本当にゼロ円でやっています。

請求8月分.png

請求7月分.png

請求6月分.png

請求5月分.png

と、まあ、こんな感じです。

 四六時中、スマホを手放さない人には、こんな使い方はできません。ずっと、ネットゲームをする人も無理です、動画を見続ける人も無理です。というもの月に500MBまでという制限がついています。それと通常の電話は使えませんが、Eメールは使えます。

 つまり、Eメールは普通に使えて、私の場合はSkypeでチャットと電話ができます。ニュースも見れます。これくらいに限定すれば、十分使えるゼロ円通信なのです。電話は、知らない人や怪しい人から絶対にかかってきません。Skype電話なんで。LINEのようにチャットもできます。LINEでもいいんですが、韓国製というのが嫌で、Skype(マイクロソフト製)を使っています。まあ、このスマホ以外はすべてパソコンでやっていますので、何も問題ないです。

 電話が使えないとちょっと、という人、良く考えて下さい。電話を使う=電話番号を教えるということですよね。つまり、Skype電話のIDを教えれば、電話はできますし、チャットもできます。IDを交換するということは、交換しても問題のない人だからですよね。だから、電話もSkype電話も同じことなのです。まあ、IP電話なので、多少品質は落ちますが。

 こういうことをすれば、毎月、ゼロ円通信が可能なのです。興味があれば、どうぞ、お試しあれ。




posted by ツッカー at 21:23| 兵庫 ☁| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年08月27日

変わりゆく未来 最終話

 翌日、私はトシを呼び出した。
「珍しいね。ナオからこんな店に誘ってくれるなんて。」
「トシのためだからね。」
「オレのためなんだ。なんか、うれしいね。」
「今でも記憶が戻らないから、トシとは一度白紙に戻した方がいいと思っているの。」
「そうなのか。じゃ、オレのプロポーズも白紙なのかな?」
「申し訳ないけど。」
「楽しい未来が待っているのかと、思ってたよ。」

「私、実家に帰ることにしたの。」
「そうなのか。実家に帰ってどうするん?」
「両親が旅館をやっているんで、それを手伝うことにしたの。」
「そうか。オレも会社辞めて、ナオについて行こうかな?」
「だめよ。今は恋愛や結婚なんか、考えられないから。」
「仕方ないか。」

 私は会社に退職願を出した。私が辞める日には、みんなが集まってくれた。
「ナオがいなくなると、淋しくなるね。」
「だから、ネットでいつでも会話できるじゃん。」
「でも、それは会うとは言わない。」
「テレビ電話だってできるんだから、いいんじゃない?」
「でも、ちゃんとリアルに会いたいよ~。」
「で、トシとはどうなったの?」
「白紙よ。」
「じゃあ、私、行ってもいい?」
「頑張ってね。」
「やったぁ~。頑張るわ。」
「みんな、本当にありがとうね。」
「何言ってるのよ。」
「そうよ。いつまでも仲間じゃん。」
私たちは、結構遅くまで別れを惜しんだ。

 翌日、朝から、引っ越しだ。そんなに荷物は多くない。実家に荷物が届く旨を連絡しておいたから、ちゃんと受け取ってくれるだろう。私は、電車でボチボチ帰るのだ。家に帰ったら、しばらくゆっくりさせてもらった。旅館の仕事は少しづつだが、覚えていった。近郊に何があるのかも見て回った。

 なんとなく、旅館の仕事ってものが分かりかけてきたころ、両親にこんなことを言われた。
「ナオちゃん、昔言っていた話だけど、あなたが帰ってきたということは、了承してくれたと思って、話を進めておいたわよ。」
「えっ、何の話?」
「料理長の木村さんとの話よ。」
木村さんは若いが料理はとてもおいしい。この旅館の重要な人材だ。

「その木村さんとって、どういうこと?」
「一緒になってもらって、この旅館をお願いするのよ。」
「ちょっと待ってよ。そんな話、前に帰ってきたときも、今までも何も聞いていないわよ。急に言われても絶対無理だから。」
私はまだ男だから、そんな気はさらさらない。
「だけど、言わなくても分かってると思っていたのよ。」
「だから、記憶がないって言ったでしょ。」
「今更だめなんてことはできない。」
「私はまだ一人でいいの。」
「そんなこと言っても、もう30になるでしょ。」
「まだ、27歳よ。」

 私はこのことで、家に帰らなかったんだということが、やっとわかった。トシという恋人がいて、家に帰ると親が決めた相手がいて、これではやはり帰ってこれなかったんだろう。確かに木村さんはまじめな人だけど、私より一回り年上だ。困ったもんだ。

「じゃ、私から木村さんと直接話をするわ。」
「あかん。先方ものる気になっているんだ。今更、だめだ。」
「私の気持ちを無視して、そっちで勝手にきめたんでしょ。今の時代にそんなこと許されないわ。」
「ナオちゃん、お願いだから、お父さんの言うこと聞いて。」
「聞けるわけないでしょ。木村さんとこ、行ってくる。」
「直美、あかんぞ。」

 そんなの無視して、私は厨房に飛び込んだ。木村さんは料理中だった。今は無理だな。私はその状況を見て、一旦戻ろうと思った。
「お嬢さん、後で話、できますか?」
木村さんから先に口を開いてくれた。
「私も話があるの。忙しい時にすみません。」

 厨房の仕事が終わったあと、木村さんは私のところに来た。
「お忙しいところ、すみません。」
「いえいえ、私の方もお話しがあったので。」
「女将さんにお話し、お聞きになりました?」
「はい。」
「私は、正直なところ、この話が出た時、うれしかったんです。」
彼は静かに話し始めた。

「学もない私に、この旅館を任せて頂けるなんて、感謝しかないです。」
「私もそのことについては賛成です。」
「お嬢さん、ありがとうございます。」
「ですが、お嬢さんのお気持ちを、直接聞いてもいないのに、結婚だなんて、無理があります。」
「でも、実際、お嬢さんはどう思われているのか、気になっています。私はお嬢さんより10以上も上ですし。」
そうだろうな。でも、ちゃんと答えてあげないといけないよな。

「私もそのことについて、話がしたかったんです。」
「木村さんがこの旅館を仕切ることには、私は賛成です。私もできる限りサポートさせて頂きます。」
「ですが、結婚の話は、辞退させて下さい。私にはまだその覚悟がありません。」
木村さんは真剣な目をして、私の話を聞いてくれた。

「分かりました。お嬢さんの気持ちが聞けてうれしかったです。ありがとうございます。」
「こんなことになって申し訳ありません。」
「いえいえ、問題ないです。こんな私にこの旅館を任せて頂けるという気持ちだけでも、私にはありがたいことですから。」
「旅館については、私もお手伝いさせて下さい。」
「ありがとうございます。」
よかった。なんとか、こじれずに済んで。

 ところが、この話の仲人はおもしろくないらしかった。当事者間で勝手に話を決めてしまったのだからね。
「まったく、お宅の娘さんにはどんな躾けをしてるんですか!」
「申し訳ありません。」
どんなに言っても、当人同士は納得している。これから先はビジネスパートナーとして、頑張っていくつもり。それが一番だと思うのだ。

 私の両親はしばらく文句を言っていたが、だんだん言わなくなった。旅館ビジネスを、木村さんと私とで推進して、それがうまくいっている。私も和服の装いがだんだん板についてきたみたいで、若女将みたいに見えてきたみたいだ。

 以前の会社の仲間も遊びに来てくれた。
「ナオ、久しぶり。頑張ってる~?」
「ありがとう、頑張ってるわよ。」
「その和服も似合ってるね。」
「そう?若女将にみえる?」
「みえる、みえる。」
「今日は楽しんでいってね。」
「ありがとう!」

 カズちゃんたちは、部屋に案内されていった。あとで、のぞいてみようっと。私は充実した日々を送っている。なんとか旅館もうまくいっている。こんな未来がいい。
 私は一段落したので、佐々木さんたちの部屋に向かった。一時間ほど、楽しく話ができそうだ。だが、私が向かった先は、楽しい面々のいる部屋ではなかった。

そう、私はまた、・・・移動してしまったのだ。




                               (おわり)
posted by ツッカー at 19:23| 兵庫 ☔| Comment(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年08月26日

変わりゆく未来 第30話

 私は部屋に帰って、家からの手紙を探した。いくつか見つかって、中身を確認すると、旅館名や場所なんかが確認できた。ネットで調べてみると、かなり大きい。多分、従業員もたくさんいそうな気がする。

 で、私の家族はどうなっているのだろう?それも、手紙から探そうとしたが、あまりわからなかった。スマホに家の連絡先があった。恐らく、母親の名前だ。信じてもらえるかどうか、わからなかったけど、一度、連絡してみることにした。

「もし、もし、直美だけど。」
「えっ、珍しいわね。電話してくるなんて。」
「ちょっと、困ったことが起こったの。」
「お金?ないわよ。」
「いえ、違うの。信じてもらえるかどうかわからないけど、朝起きたら、記憶がなくなっていたの。だから、私の部屋に置いてあった手紙を伝手に電話したの。」
「大丈夫なの?」
「うん、生活する分には何も問題ないけど、過去の記憶がないの。」
「いったい、どういうことなの。」
確かに、こんなことって普通あり得ないから、わからないよな。

「一度、そちらに行ってもいい?」
「そりゃいいよ、お前の実家なんだから。」
「私の過去を教えてほしいの。」
「とにかく、帰っていらっしゃいよ。」

 うまく、帰れることになった。私は土日と1日休みを付けて、実家に戻ることにした。
実家は都会の日常からかけ離れた、緑豊かな山並みの裾野にあった。時間がゆっくり流れているような感じのところだった。

 最寄の駅からはタクシーしか交通手段はない。私が、旅館につくと、お客と勘違いしたのか、従業員の方に出迎えて頂けた。でも、気持ちがいい。玄関に入ると、私を知っている人がいた。

「ナオちゃん、お帰り。」
 周りの従業員の方は私を知らなかったようだ。私はよっぽど、長いこと、帰ってなかったんだ。
「ただいま、帰りました。」
私は、自宅の方に案内された。通された部屋で正座して待っていると、父親らしい人と先ほどの母親が入ってきた。

「久しぶりだな。」
「ご無沙汰しております。」
「で、ナオちゃん、大丈夫なの?」
「ごめんなさい。お二人とも覚えがないの。」
「なんてことなんだ。」
「もしかしたら、寝ている間に脳梗塞が起こって、過去の記憶する部分がだめになってしまったのかも。」
「病院は行ったのか?」
「ううん、行ってない。だって、日常生活する分には何も問題ないんだもん。」
「何を言ってるんだ。病院に行ってちゃんと見てもらえ。」
「わかった。帰ったらちゃんといくね。」

「ところで、いつまで居れるんだ?」
「明後日までよ。それまでに、私の過去を教えてほしいの。私に兄弟はいるの?」
「おまえは一人っ子だ。だから、ここに帰ってきて旅館を手伝ってほしいんだ。」
「今までの私は、どんなんだったの?」
「会社の方が好きみたいだったわね。」
「なかなか、帰ってくるとは言わなかった。」
「そうなの。」
「今はどう思っているんだ?」
「まだ、わからないわ。しばらく、考えさせて。」
「あんまり、長いことは待てんぞ。」
「わかったわ。」

「私の部屋はまだあるの?」
「そのままにしてあるわよ。」
母親は私を案内してくれた。
「ここが私の部屋だったところね。」
なんか女子高生っぽい部屋だった。

「しばらく、この部屋にいてもいい?」
「ナオの部屋なんだから、好きなだけいるといいわ。」
「ありがとう。」

 この子はどんな女の子だったのだろうか。机の上の本は多分、高校の時の教科書などが多い。机の中は、文房具や写真、ノートなどが入っている。丸っこい字を書く子だったんだ。勉強のノートはしっかりまとまっている。真面目だったのかな。私はこんな子の人生を乗っ取ってしまったのか。でも、私のせいじゃない。この子も、そう遠くない将来、私が出て行ったら、亡くなってしまう。それなら、両親の元で過ごしてあげた方がいいのかも知れない。会社の仲間は、あれはあれで楽しい仲間だけど、私はこの両親のそばにいてあげた方がいいような気がしている。もしかしたら、この田舎には幼馴染もいるかもしれないし、そんな人との交流も楽しいかも知れない。私にプロポーズしてくれたトシ君にはまた別の彼女を見つけてもらった方がいいのだろう。私はまだ男だ。女にはなれていない。
この部屋のいろんなものに触れて、そんなことを考えていた。

「ナオちゃん、ご飯よ。」
 母親が呼んでいる。もう、日が暮れようとしていた。旅館はこの時間、忙しいのでは?と思いながら、食事の用意されている部屋に行った。

「この時間、忙しいんじゃないの?私はまだ、もっと後でいいのよ。」
「せっかく帰ってきてくれたんだから、みんなで頂きましょう。」
「ありがとう。」

 今は大半を従業員に任せているのだという。だから、たまにはこんなふうに夕ご飯を食べるようだった。私は、父親にビールをついてあげた。
「ナオも飲めるよな。」
「うん、頂くわ。」

 私は両親との食事を頂きながら、ここに戻ってくる気持ちを固めていった。二人は私の小さい頃の話をしてくれた。私はそんな子供だったんだ。ううん、自分ではない、この子の人生だ。私は、この子の、この両親を安心させてあげなければと思った。少しでも長く、移動せずにいたいと思った。

 休暇も終わり、私は一旦、ひとりの部屋に戻った。なんとなく、こちらの生活も私なりに、充分満喫しておきたいと思ったからだ。会社の生活は、同じ年代の友人たちとワイワイ楽しめる。それはそれで、楽しい。いろんな出来事を仲間で乗り切っていく。恐らく、いずれ、それぞれが別々の道を歩いてくのだろうけどね。

 私はカズちゃんと二人で話をすることにした。
「私、家に戻ろうかと思ってるの。」
「ナオの様子を見てて、多分、そうだろうと思った。」
「ごめんね。」
「なんで、謝るのよ。あなたが決めたことでしょ。」
「自分のこととはいえ、みんなに悪くって。」
「みんなだって、そのうち、それぞれの道を歩んでいくのよ。今だけ、たまたま、同じ道になったんで、ワイワイ楽しんでいるだけじゃん。」
彼女は本当に優しい。

「ありがとうね。」
「淋しくなるけど、また、会おうと思ったら、会えるじゃん。今はネットでつながっていられるしね。」
「そうだよね。でも、本当に今までありがとう。」
「何言ってんのよ。ささ、飲も!」
私は本当にいい人に恵まれたものだ。

「でもさ、トシはどうするの?」
「あ、忘れてた。」
「ひど~い。彼、泣いちゃうよ。」
「ほんと?」
「うそ。ww」
「こら~。」

 私はこんな楽しい日常から離れて、両親の元に行こうとしているのだ。でも、カズちゃんの言った通りで、仕方ないことなのだ。


(つづく)
posted by ツッカー at 19:20| 兵庫 ☀| Comment(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年08月25日

変わりゆく未来 第29話

 あっという間に、お昼になった。大きな会社だから、社員食堂があって、そこでいつも仲のいい連中が集まって、食事をするのが常のようだった。私たちはいつも浜口さんと加藤さんの四人で食事を楽しんでいた。

「あの、はじめまして、橋本直美です。」
私は何を言っているんだろう。
「はぁ?なんかの冗談?」
「実はナオね、昨日以前の記憶がないらしいの?」
「え”~、うっそ~。」
その大きな声は食堂中に響いた。みんなが怪訝そうな顔して、にらみつけてきた。
「もっと、小さな声で。」
「だって、そんなこと言うから。」
「みんな、協力してあげて。ナオの記憶が元にもどるように。」
「本当に何も覚えていないの?」
「うん、ごめんね。」
「謝る必要ないよ。でも、課長のとこで、切れないナオって初めてみたわ。」
「いつもは切れてたの?」
「だって、あんな場面では絶対喧嘩はじめてたよ。」
「そうなんだ。」
どうやら、この直美は、切れやすい、喧嘩っ早いらしい。

 彼女たちの情報で、会社のこと、自分のこと、なんとなくわかってきた。アフターファイブは、この四人で楽しく過ごすことが多いらしい。トシは営業で、普段、会社にいることはないようだ。私たちは共に27歳。同期入社だ。少々、30歳に近づいていることに危機感はもっているようだった。

「で、今日はどうする?」
「帰りに一杯、行こうよぉ。」
「しょうがないわね、定時後、いつものところに集合ってことで。」

 私が合意するまでもなく、決定されてしまった。彼女たちのノリについていけるだろうか?そういえば、PTSDになっていた私は、この子に移動してから影も形もなくなってしまったようだ。ずっと、引きずっていたら、たまらないよ。

 その日の定時後、私たちはいつもの(らしい)洒落た居酒屋に集合した。女子だから、最初からビールではないと思っていたら、生ビールだった。私にとっては、なんかホッとした感じだ。30に近づいた女子はこんなものなのだろうか?

「さてと、ナオのこと、聞かせてよ。」
「ナオね、過去の記憶は飛んでんのよ。」
「何かあったの?」
「目が覚めたら、そうなってたんだって。」
「本当にそんなことあるの?」
「あ~、多分だけど、脳梗塞とか?」
「え~、やだ~、怖い~。」
「ちゃんと、水分取ってんの?水分が足らないと血液がドロドロになって、詰まってしまうっていうよ。」
「そうなの?」
いい感じに話が進んでいる。私には好都合だ。

「そうなのかな?」
「きっとそうよ。水分って言っても、アルコールではだめよ。」
「わかってるわ。」
「で、トシとはどうなの?」
「それもね、記憶にないんだって。だから、彼氏返上で、お友達からみたいよ。」
「え~、ほんと?じゃぁ、私、取っちゃおうかな?」
「私も。」
そんなにいいヤツなのか、彼は。

「トシ次第ね。」
「だよね~。トシはナオにゾッコンだしね。」
「あ~、私も彼氏、ほしいなあ。」
「この中で彼氏いるのは、ナオだけだもんね。」

 そうなのか。でも、私は男だから、彼氏はいらない。しかし、女4人寄れば、なんとやらで、よくいろんな話題が出てくるな。このままでは、絶対、今日中に帰れると思えない。

「でもさぁ、ナオ、あれどうするの?」
「あれって?」
「あっそうか、記憶ないんだもんね。」
何のことなんだろう?
「旅館の女将になるって話。」
そんなのあったのか。
「実家が旅館だって言ってたじゃん。って、知らないか。」
知ってるわけない。

「そうなの?私、そんな境遇なの?」
「記憶のある時のナオが言っていた話だよ。」
「私って、田舎どこなんだろう?」
「なんか、岩手のしなびた旅館だって言ってたよ。」
「大きい旅館なのかな?」
「そこまでは知らないけど。」
「なんか、親に戻ってこいってかなり言われてたって、言ってたよ。」
「そうなんだ。」
ややこしいなあ。どこの旅館なんだろう?

「でも、兄弟に継いでもらったら、いいんじゃない?」
「私に兄弟、いるの?」
「どうかな?知らないけど。」
これも調べてみないとね。
「あと、トシのあれ、どうするの?」
「トシのあれって、何?」
「これも記憶にないんだ。」
「まあ、白紙だろうけどね。」
「えっ、なに、なに?どういうこと?」
「だって、記憶ないんでしょ。トシからプロポーズされたことも。」
「え”~、そんなこと聞いてないよ。」
「私も。」
「ごめん、ナオに口止めされてたからね。」
私、プロポーズされてたんだ。

「だけど、旅館の件とプロポーズの件、まずは旅館から片付けないと、進まないよね。」
確かにそうだ。私が旅館にいけば、彼は、ついてくるのかってことだよな。でも、まず、家族のことをもっと知らないとどうしようもないな。



(つづく)
posted by ツッカー at 18:41| 兵庫 ☁| Comment(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする